野猪大改造-第03集.doc
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『恐怖の文化祭』 桐谷修二(亀梨和也)は、居間で宿題をしながら眠ってしまった弟・浩二(中島裕翔)の 書きかけの作文を読んでしまう。 『ボクの兄 ボクの兄は、高校生だ。 家では、よれよれのボサボサだが、外ではすごく格好つけてる。 性格も、家と外で、全然違う。 友達と一緒のとき、ものすごい余裕だ。 でも、家の中では、考えられないぐらい、セコイ。 兄は、他人によく思われたいのだ。それしか考えてないらしい。 でも、こんなことをしていて、兄は、ちゃんとした大人に なれるのだろうか。』 弟をベッドに運ぶ修二。 「お兄ちゃんさ、牛?馬?」浩二の寝言に 「こいつ何の夢見てんだよ。」思わず笑う修二だった。 牛と馬。私が連想したのはお盆。(キュウリの馬・ナスの牛)。 これも何かの伏線でしょうか? 信子(堀北真希)は文化祭実行委員のバンドーに、お化け屋敷のお化けに 任命され、おまけに小道具、大道具、監督と全て押し付けられてしまう。 草野彰(山下智久)が一人では無理だと庇うと、彰はその他雑用係に任命。 「じゃ、バンドーちゃんは何すんの?」修二が笑顔で尋ねると、 「私は草野と小谷がちゃんとやるか監視するだけ。」 誰も反対出来ず・・・。 「でもさ、これってチャンスじゃない? 野ブタ。が文化祭成功させれば、みんなの見る目も変わるでしょう。」と彰。 「でも、よりによってお前、お化け屋敷だぞ? つーか二人じゃ成功しねーだろ。」と修二。 「二人じゃないじゃん。3人じゃん!」と彰。 「やるんだったら・・・楽しくやりたい。」と信子。 「正解!楽しくやろうね。」 「なに呑気なこと言ってんだよ。」修二には不安があった。 「失敗したら、ますます野ブタ。がいじめられるだろう。 どうする、プロデューサー桐谷修二。 どうする・・・どうする・・・」 「どうした?」彰のドアップに「別に。」と答える修二だった。 彰の下宿先で、お化け屋敷の参考にと恐怖映画を見る3人。 平山一平(高橋克実)が、生涯で一番怖かったお化け屋敷は、 暗闇に立つ人影が、陰気に後ろ向きで立つ姿だったと言う。 修二たちはそのアイディアと、コンニャクをぶら下げるアイディアを もらう。 家でネタ探しに本を読んでいる修二に、浩二は自分も行きたいと おねだり。 「家でボサボサだってこと誰にもバラさないからー。」 「お前絶対くんじゃねーぞ。」 文化祭の準備をする彰と信子。 他の生徒達は誰も手伝おうとしない。 見かねた修二は 「しょうがねーからさ、俺達でサクっとやっちゃわねー? あの二人じゃ終わりそうもねーし。」 爽やかに仲間にそう言うと、みんなもやる気を出して手伝い始める。 A組の女子は全員着物を着るらしいと、修二を連れ出す仲間たち。 A組の上原まり子(戸田恵梨香)は文化祭当日一緒に回ろうと 修二を誘う。 「着物いいね。絶対似合うよ。」 そう言った時の修二のアップ。照明が暗かったですね。 そしてそのあと、鏡を覗き込む修二の表情。 いつもの修二とは別人のように見えました。 友達に声をかけられて振り返った時にはいつもの笑顔を見せる修二。 修二は、演じることに疲れているのかもしれません。 修二はクラスメートのヨシダ(石井智也)に演劇部の衣装作りを頼まれる。 この直後、一瞬見せた修二の修二の険しい顔。なぜか照明も落とされ・・・。 これは、彼の心の悲鳴なんじゃないのかな。 だって、いい人を演じているのって疲れそうですよね。 「修二!」女生徒たちの声にいつもの笑顔で振り返る修二はいつもの笑顔。 修二は彼女たちにファッションショーの撮影を頼まれる。 カメラも修二のを持ってこいと言う。 お願いされると嫌と言えない修二。 いつかパンクしてしまわないか、心配です。 「あーあ。めんどくせー。」 そう呟く修二。 今度はギターの練習をするセバスチャン(木村祐一)と担任の横山(岡田義徳 )に 「お前、歌上手かったよな。」と無理やり練習に付き合わされる。 ギターと衣装を抱えて教室に戻ると、彰と信子以外はみな帰ったあとだった。 その後も、文化祭の準備は3人だけで進めていく。 授業中も物を作りながら参加する3人だった。 呪と書こうとして祝と書いてしまう彰。(笑) 修二には、お化け屋敷以外にも手伝うものが多々あり 多忙なスケジュールをこなしていく。 すすき野原で横になった彰が信子に言う。 「俺ってさ、何やっててもそんなに楽しいって感じたこと ないんだっちゃ。」 「私も、あとで思ったりする方が楽しい。」 「何それ?」 「テレビゲームとか、やってるときは楽しくないんだけど、 勉強してる時とかに思い出すと、楽しかったりする。 楽しいことって、あとになってみないとわからないんじゃないのかな。」 お化け屋敷に使うススキを沢山摘み、学校へ戻りながら彰が言う。 「何年かしたら思い出すのかな?」 「何を?」 「朝早く3人で人形を作ったこととか、夕暮れにすすき摘んだこととか、 何年かしたら、あの頃は楽しかったなーって、思い出すんかな。」 3人の努力で、お化け屋敷が完成した。 人形の後姿を見ていた信子は、 「あ・・・お父さん・・・」と呟く。 「お父さんに似てるんだー。」 「じゃ、小谷父って呼ぶか?」 「さっき言ってたお父さんって、義理のお父さんのことか? だって、お母さん再婚して新しく来た親父のことをお父さんって呼べないって 言ってたじゃん。」彰が聞く。 子供の頃、父を「お父さん」と呼んでみたが拒絶されたことを思い出す信子。 「でも、心の中ではお父さんって呼んでたりして。コンコン!」 「お前ちょっと、立ち入りすぎだろ。」修二が彰に注意した。 3人が教室に戻ると、ゴーヨク堂店主(ペンネーム・デルフィーヌ)(忌野清志郎)が いた。彼もこの学校の出身らしい。 「この落書きは、私の。」 『ヘイ、ベイビー オレは、HIDEKICHIになる』と壁に書かれている。 「秀吉。豊臣秀吉のこと。 悲しいほどに愚かだね。ヒデキチって思い込んでたんだな。 掘り直しに来たんだけど・・・このままでいいか! まぁ、途方もなくバカだった頃の思い出に、 やっぱこのままにしておこう。」 そう言い、店主は帰っていった。 「何で最後にモグラ作ってんの!」彰が修二に聞く。 「コウモリだよ。」 「知ってた?モグラって穴の中で一匹で行動してるんだって。 でも、発情期になると、ちゃんと相手見つけるんだって!スケベ!」 「それってすごい確立だよな。」 「そうね。土の中だもんね。」 「もしそれで、出会えたとしたらさ、それはすごい奇跡だよなー。」 修二の言葉をじっと聞く信子。 コウモリも完成し、3人は記念写真を撮る。 3人が帰ったあと、その姿に微笑む者がいた。 その人物は、2-Bに入り込みセットをメチャメチャにしてしまう。 修二は友達と一緒に下校したように見せかけて、この二人を手伝って います。 この犯人は、それを知っている、ということですね。 =第45回隅高祭= メチャメチャに荒らされたセットを見ても、信子はそれでもお化け屋敷を やるつもりでいた。 犯人はバンドーグループではないそうだ。 修二はバイトを雇って直せるだけ直そうと提案。 「スッゲー面白いバイトがあるんですけど。」と言い他校の制服を着た 3人組の男女をスカウトする。 演劇部のヨシダに衣装を渡すと、今度は劇に出るよう頼まれる。 ヨシダを追う修二は、セバスチャンたちに捕まり歌の練習に。 修二が頼んだ3人組は、セットを一生懸命直してくれる。 「みなさん、熱いっすね。」彰が言うと 「だって文化祭は燃えなきゃ。」 「この先熱くなれる時なんて早々無いもんね。」と言った。 信子を訪ねて義父がやって来た。 朝食がまだな父親は信子に一緒に食べに行くか聞くが、 信子は行かないと答えてしまう。 仕事先からの電話で、義父は差し入れを置いて帰っていく。 「野ブタ。の話聞いていたら、嫌なヤツかと思ったけど、 全然いいパパしゃんじゃん。」彰が言う。 「それ・・・私が好きなヤツ。」 「やっぱいいパパしゃんじゃん!」 信子は昼食のおにぎりを手に、父の後を追った。 義父は、修二たちの歌う姿を暫く見つめたあと、学校を出て タクシーに乗ってしまう。 信子がタクシーのあとを必死に追う。 「おと・・・ おと・・・ おにぎり!おにぎり!!おにぎり!!!」 父が信子の声に気付いてタクシーを止めてもらった。 信子は窓から父におにびりを渡す。 「ありがとう。じゃ、行ってくるね。」 「やっぱり、お父さんって呼べなかった。 私、心、狭いのかな?」 「狭くなーい。自分言ってたじゃん。 楽しいって思えるまでには、時間がかかるって。 それと一緒でさ、そういうのも、時間がかかるんだよーん。きっと。」 信子が彰の言葉に頷いた。 彰、優しいですね。 こういう、肩の力が抜けるような語りが余計に温かく感じます。 タクシーの中で父はおにぎりにかぶりついた。 歌を終え、教室へと走る修二。 まり子が声をかけてきた。 「今、中の子に抜けるっていうからちょっと待っててね。」 「はい!待ってる。」 まり子が教室の中に消えていくと、修二、再び走る! 教室に行くと、彰たちが暇そうにしていた。客が全然来ないらしい。 「多少出遅れたかんな。」 隣の教室のフィーリングカップルは大盛況。 「カップル限定にすればいいんだ! 限定にすればみんな来たがるもんなんだ。 男同士でも、女同士でもOKにすればいいんだから。」 修二のアイディアは的中。人が集まってくる。 信子は修二に、最後のところを少し変えたい、と相談する。 「もち!全然盛り上がっちゃっていいからさ!」 修二はそう言い、また走る! 向かった先はまり子が待つ教室。 「遅いよ。」少しふくれっ面のまり子。だがすぐに機嫌を直してくれた。 ふと教室の中を見ると、弟の浩二が団子を食べている。 修二は兄に見つかり逃げる弟を追いかけていく。 校庭で弟を捕まえたが、修二は今度は演劇部に捕まってしまう。 農民役で舞台に登場。 舞台の袖で待っていたまり子は、お化け屋敷に行こうと言う。 「最後すっごい感動するんだって!」 舞台の次の催し物はファッションショー。 カメラを忘れた修二は又走り出す。 そして、カメラを売っているブースに、あとで必ずお金を持ってくるからと 購入。慌てて講堂へ戻ろうとするが、つまづいて転んでしまう。 豆腐屋の店主・平山がこんにゃくを持って来た。 「なんか良かったねー。」 お化け屋敷から出てきた客は、手をつないだままそう言った。 バンドーグループの女の子達も、列に並ぶ。 お化け屋敷から出てきた平山がバンドーとぶつかる。 「オヤジの癖にキャーキャーうるせーんだよ。」 「あのね!オヤジにだってキャーキャー言いたい時だってあるんです!」 「黙れこのハゲオヤジ!」バンドーは怒って行ってしまった。 「・・・ベリーショートなんだけどな。」 「グサッ!」と彰が言った。 ギャルにビシっと言える平山さん、素敵です。 修二が再びお化け屋敷に戻ると、すでに終了の札がかけられていた。 「こっちも終わっちゃったの?」 「バイト君たちのおかげだっちゃ。」 「いやでもマジ助かったわ。ありがとう!」 「君たちに会えて、良かったよ。」 「もう二度と、会えないかもしれないけど、な。」 「あーあ。又元の生活に戻るのか。」 3人がそう言う。 彰はみんなで記念写真を撮ろうと提案。 シャッターが落ちる直前、3人の姿が消えた。 「・・・うわぁ!!」修二たちが悲鳴を上げる。 キャサリン教頭が3人の姿に気づく。 「あなた達!」 「キャサリンだ!」3人が振り返り笑顔で手を振る。そして消えていった。 「そっか。今年も、あいつら、来たのか。」 キャサリンは笑ったあと身震いした。 校長とキャサリンがお化け屋敷を訪ねてきた。 「見たね?見たでしょ?」興奮気味のキャサリン。 「うちの生徒ですよ。20年前の。」と校長。 「20年前・・・」 「茶色の制服だったでしょう?」 校長がアルバムを開いて見せる。 「そいつらさ、宮本、駒井、金子って言ってなかった?」キャサリンが聞く。 「言ってました。」と修二。 「文化祭になるとね、ンフフフフフフ。 毎年来るのよ、あいつら。」とキャサリン。 「幽霊なんですか?」信子が聞く。 「いやいや。生きてますよ。」と校長。 駒井は大学病院の脳外科の先生。 宮本は出版社の雑誌編集者。 金子はスーパーの店長をしているという。 「ていうかみんな、高校生だったから。」 「だから生霊よ! だって本人たち仕事で忙しくて来られるわけないもん。 よっぽど高校の時の文化祭が楽しかったんじゃない? 一生に一回だけだもんね。 友達に出会えるのも、意味の無いことに夢中になれるのも。 それが忘れられなくて毎年、気持ちだけ来るんじゃないのかなー、 あいつらは。」 お化け屋敷のセットから物音がする。浩二だった! 浩二はお化け屋敷を見たかったのだが、カップル限定で見ることが 出来なかったと言う。 修二は弟と二人で入ることに。 手をつなぎ、入っていく。 「浩二先行け。」 「先行ってよ。」 「押すなよ。」 「だって後ろが怖いから。」 「うわぁー!」 「ぎゃー!」 「おぉ!」 そして出口を見つける二人。 鏡に文字が書かれている。 『今、手をつないでいるその人に出会えたのは、 キセキのような、かくりつです。 光の中に出ても、その手をはなすことのないように。』 「行こ。」と浩二。 「うん。」修二が答え、二人手をつなぎ外へ出た。 二人を出迎える彰と信子。 もう一回行こう!と浩二が彰と信子を引っ張った。 「これから修二君とデートでしょう? 羨ましい。」 友達に言われ微笑むまり子。だがそのあと少し寂しそうな表情をした。 そういえば、文化祭のあと修二とまり子はデートした様子が なかったですね。弟がいたから中止?それともまり子の勝手な思い込み? 「いい文化祭でしたねー。」教頭が校長に言う。 「生徒は3回きりかもしれないけど、我々は何十回と文化祭やってますからね。 先生は、何回目です?」 「800回目!」 片付け終えた3人は、屋上で夜空を見上げていた。 「終わった終わった、やっと終わった!」彰が笑う。 「長い一日だったな。」と修二。 「私も、長かった。」信子が言う。 「え?」 「私ね、長い間一人で掘ってたんだよね。 モグラみたいに、土の中を。 そしたら突然二人が出てきた。」 「え?二人って、俺達?」 「うん。 これから先も、またこんな風にぽろって誰かと出会えたりするのかな。 もしそうなら、一人で土の中掘ってるのも、悪くないよね。」 「会えるんじゃないの。いろんなやつと。」と彰。 「そしていつか、二度と会えなくなるんだよな。」 信子は二人に出会えたことに感謝しているんですね。 彰の答えに希望が見えて、修二の答えに影が見えるところが気になります。 帰り道、修二は浩二に言う。 「お前さ、俺みたいになるんじゃねーぞ。」 「俺みたいって?」 「だから・・・ 要領ばっか良くて、何も作れない大人にはなるなってこと。」 『俺はショックだった。 野ブタ。や、バカだと思っていた彰が、 あんなにちゃんとした物を作ってたってことが、 ものすごいショックだった。』 「兄ちゃんイイヤツだよ。 約束は絶対守るし、まぁ、ちょっとはカッコつけてる所もあるけど、 イイやつだと思うよ。」 『明日になったら、教室は又もとに戻るだろう。 野ブタ。はまた苛められて、彰は相変わらずわずらわしいヤツで、 俺は、人気者で。 それは絶対変わるはずはないのに。 俺は、不安だった。 何もない自分が、ものすごく、不安だった。』 信子と彰を、クラスの皆と同じように、心のどこかでバカにしていた修二。 そんな二人は、一度グチャグチャに壊されたお化け屋敷を諦めずに もう一度作り上げた。最後の言葉は素敵でした。 人を感動させるって、とても難しいことだと思う。 それをやってのけた信子と彰。 それに比べて自分は・・・と考え始めている修二。 クラスでは人気者の彼が、実は、心の中はとても不安定。 自分をプロデュースし、友達に対して演じた自分を見せ続ける。 今回、一瞬ですが、素の自分が現れました。 照明を落としてその顔を見せるなんて、病んでいるという表現なのかな。 無理しすぎて仮面が剥がれかけてるようにも思いました。 もしも仮面が剥がれてしまった時、彼の友達はそれでも彼のことを 受け入れてくれるんでしょうか・・・。 それにしてもアルバイトの3人が、生霊だったとは! 男の子二人と女の子一人。 まるで、修二、彰、信子のようです。 こちらの3人も、今高校で過ごしている日々を、卒業してから 楽しかったと思うのでしょうね。 信子がゲームを例えて言っていたように。 今回何度か出てきたコウモリの人形のアップ。 イマイチ意味がわからなかったのですが、第1話、第2話の記事を読み直して つながりました。 第1話では柳の木。 第2話では竹輪。 第3話ではコウモリ。 修二は、いろんな物に自分を重ねて見ているのかな。 人気者の修二は、実は中身が空っぽで、自分が何者なのかよくわからないという ことに、本人は気付き始めている。 小道具の効いている深いドラマだな、と思いました。- 配套讲稿:
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- 野猪 改造 03
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